約 2,471,442 件
https://w.atwiki.jp/psp_oreimop2/pages/19.html
概略 フローチャート 攻略メモ 概略 前作の桐乃編IFルートの設定を継承。 フローチャート 攻略メモ 【2 プロローグ・桐乃編】 ●ORE 12 エロ 【3 桐乃と海へ!】 ●CG 13 可愛い水着で背伸びしたいお年頃 ●CG 19 現役モデルの本気水着 【4 加奈子△】 【5 友達とファンの境界】 【6 外側から見て気付く事】 ■加奈子2SHOT: 外側から見て気付く事 □□ ◆全問正解: ●ORE 13 恋人っぽくね? 【7 人生相談が育んだ絆】 【8 親しき仲にもなんとやら】 【9 人生で最後の人生相談】 ●CG 14 高坂くん超カッコイイんですけど!の図 【10 恋人同士のデートって?】 ●ORE 14 彼氏になってよ ◆13 恋人っぽくね? ◆12 エロ ●CG 15 想いが伝わる距離 【11 アキバでいちゃラブ!】 【12 沙織オーバーリアクション!】 ●CG 3 彼女からのおねだり 緑服差分 ●CG 20 すってんころりん沙織が転ぶ 【13 桐乃が信じている事】 【14 親友】 【15 緊急ネゴシエーション】 ■あやせ2SHOT: 緊急ネゴシエーション □ 【16 愛の天使あやせ】 ◆14 彼氏になってよ → 後々のセリフ変化 【17 好意と責任】 ●CG 3 彼女からのおねだり 赤服差分 ●CG 17 俺の恋人な妹がこんなに可愛い 【18 ブラコンマスター桐乃】 【19 幸福の対価は努力】 【20 充電ちゅー】 【21 遭遇!赤城兄妹】 ●CG 3 彼女からのおねだり 緑服差分 【22 妄想大暴走】 ■瀬菜2SHOT: 妄想大暴走 どれを選んでもGOOD 【23 兄妹それぞれ】 【24 デート……?】 【25 シチュエーションアクトレス】 ■桐乃2SHOT: シチュエーションアクトレス × 【26 彼女の手料理】 【27 カエルの子はオタマジャクシ】 【28 節度ある恋人生活】 ●CG 16 不意打ちのキス 【29 桐乃と黒猫】 【30 いつもより強いあたしで】 【31 最大の敵・対決前】 【32 ずっと見てきたから言えること】 ■麻奈実2SHOT: ずっと見てきたから言えること □□ or □× 【33 一番の強敵、そして―】 ●CG 22 幸せになる覚悟 ◆ずっと見てきたから言えることで一問目をスルー ◆桐乃に嫌われる選択肢を選んできた →38きりりん&くろにゃん劇場へ 【34 黒猫のいる我が家】 【35 集合する仲間たち】 【36 妹のウエディングドレス】 ●CG 21 ハッピーシスターウェディング 【37 俺の妹がこんなに可愛いわけがない】 ●CG 18 幸せに回り続ける世界 ★おまけシナリオ・桐乃編 【38 きりりん&くろにゃん劇場】
https://w.atwiki.jp/watashianime/pages/462.html
監督:佐山聖子 シリーズ構成:関島眞頼 音響監督:本山哲 音楽:多田彰文 アニメーション制作:ハルフィルムメーカー 原作:仲村佳樹(漫画) ジャンル:ラブコメディ 最上キョーコ:井上麻里奈 敦賀蓮:小西克幸 不破尚:宮野真守 琴南奏江(モー子さん):早水リサ 他 2008年秋アニメ、2009年冬アニメ アニメ・サ行
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/433.html
http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1299681223/228-239 * 「黒猫、俺の話を聞いてほしい」 夕焼けの朱色に包まれた校舎裏で、その男は切り出した。 私はまっすぐな瞳で彼を見つめ返す。 「なにかしら」 「………俺と」 私の胸がトクンと高鳴る。 「俺と、付き合ってほしい。黒猫」 私はゆっくり頷くと、彼にこう告げた。 「……私のことを、瑠璃と呼ぶことを許すわ」 私の言葉に、彼は――― * 「彼は―――さて、どうしようかしら」 私を瑠璃と呼んだ。 いえ、私をそっと抱きしめた。にしようかしら。 私は黒い日記帳を前にしながら、内に秘めた魔力で未来を探る。 数日前、私は彼に、精一杯の想いを告白をした。 翌日、夏コミの打ち上げがあったのだが、何事もなく過ぎ去り。 その後、彼と顔を合わせない日が続いていた。 「いつまで待たせるつもりよ」 そうぼやきながら、再び日記帳に目を落とす。 今も、何ページ目になるかわからない『運命の記述』を書き記していた。 と、襖がスルスルと開く音が聞こえた。 「ねえさま、ごほんをよんでください」 下の妹が、穢れのない黒い瞳で私を見つめる。 毎晩本の読み聞かせをねだるこの小さい妹に、私は抗うことが出来ない。 ふっ……あの男を『シスコン』なんて呼ぶけれど、 私も人のことは言えないわね。 「少し待っていなさい。今……そうね、予言書を書いているところだから」 「よげんしょ、ってなんですか?」 「予言書っていうのはね、未来の事が書いてあるご本のことよ」 「みらいのことですか?」 「ええ、そう」 「ねぇさまはすごいんですね」 妹は興味深そうな目で私の手元を覗き込んでくる。 きっと、この予言が外れたら……… 私は魔力を失ってしまうだろう。 「きょうは、そっちのごほんをよんでください!」 「えぇっ!?だ、だめよ、これは―――」 び、びっくりして大声を出してしまったじゃない。 突然何を言い出すのかと思ったら。 「……ふっ、この本を読むには、まだあなたは幼すぎるわ」 不満そうな顔ね。でも――― この予言書は、私の魔力で見通した、あの男との未来を記述した本。 誰かに見られたら―――し、死ぬほど恥ずかしいじゃない。 「今日は別の本にしましょう」 「はい!」 「では、少しだけ待っていてね」 素直にうなずく妹。 私は、内なる不安をかき消すように、幸福な結末を書きなぐった。 * ピンポーン 呼び鈴が鳴り、玄関を開けると、そこにはあの男が立っていた。 「よう黒猫、今大丈夫か?」 「一体何をしに来たの」 「そう言うなって」 私に用事?まさか――― 「五更さん、体調はどうですか?」 ―――ふっ。変な期待をしてしまったようね。 彼の後ろから現れたのは赤城瀬奈。 私のクラスメイトで、同じ部活の友人よ。 「えぇ、もうだいぶよくなったわ」 なるほど。 今日は部活の方で夏コミの打ち上げがあったのだけれど。 告白の返事を未だもらっていない私は、 つい仮病を使って欠席してしまったのよ。 それで心配して来てくれたのだろうけれど。 もうちょっと、私の気持ちも考えてほしいものね。 「とにかく上がってくれるかしら」 「なんか悪いな、押しかけちまったみたいで」 「いえ、気にすることないわよ」 なんだかんだ言って、私は喜んでしまっているらしい。 まったく忌々しい。 その後私たちは、夏コミのことや、次に作るゲームのことなどを話した。 こんな風に、誰かと趣味の話ができるようになったのも。 クラスで孤立していた私を救ってくれたのも――― そんなことを考えていると、突然襖が開いた。 「ルリ姉~、誰か来てんの~?」 上の妹が突然部屋に入ってきた。 「へー、黒猫の妹か」 「五更さん、妹いたんですか」 まったく、突然入ってくるからびっくりしたわ。 私と違って活発な妹は、既に輪の中に溶け込み始めている。 「ルリ姉の友達?」 「俺は高坂京介。なんていうか、同じ部活の仲間だ。」 「ああ、ルリ姉の彼氏か」 ちょっと! な、いきなり何を言うのよあなたは! 「いや、彼氏じゃないから!」 あなたも、そんな力いっぱい否定しなくてもいいじゃない! 「またまたー、知ってるんだよ私。 実は~、ルリ姉の日記こっそり読んじゃったんだよね!」 「日記?」 「そーそー、ほら、高坂君が校舎裏で―――むぐっ」 あ、あぶなかった。 まさか「アレ」を妹に読まれていたとは……うかつだったわ。 とっさに妹の口をふさぎ、急いで隣の部屋に連れて行く。 「あなた、勝手に人の日記を読むなんて、どういうつもり?」 「ち、ちがうんだよルリ姉、あれは」 妹の話によると、どうやらアレを持ち出したのは下の妹らしい。 どうしても中身が知りたかったようだ。 「でさでさ、京介ってやっぱりあの人でしょ?やっぱルリ姉の彼氏じゃん、んふふ」 「ち、違うのよ。ああああの日記は……」 「まさか……あれってルリ姉の妄想日記だったの?」 あああああもう! 何で妹相手にこんな羞恥を強要されなければならないの? 「わ、分かったからルリ姉、とにかく日記の話はしない、しないから!」 「そ、そう。ならいいわ。」 息をふぅっと吐き出し、落ち着いて。 私は上の妹と一緒に隣の部屋に戻った。 「このごほん、なんてかいてあるんですか?」 部屋に戻った私を待っていたのは、衝撃の光景だった。 下の妹が、わ、私の黒い日記帳を…… あ、あろうことかあの男本人に?え?どういうこと? 混乱して動けないでいる私の横で、上の妹があわてて飛び出す。 「ちょ、ちょっとまってそれ読んじゃだめ!」 妹が急いで彼からその本を取り上げる。 普段はいたずらの過ぎる妹でも、今回は本当にヤバいと感じたらしい。 硬直の解けた私は、彼に尋ねた。 「その………読んだの?」 「……」 その問いに答えず、真っ赤になって俯いている彼。 その表情が全てを物語っていて――― 私は家を飛び出した。 * 行くあてなどなく、私は走り続けた。 恥ずかしい。 死ぬほど恥ずかしい。 気付くと私は、あの、告白した校舎裏に来ていた。 「はぁ、はぁ………はぁ」 これからどうしようかしら。 ひとまずベンチに腰を下ろし、ひと休みする。 息も整ってきた。心音も少しずつ、その速度を落としていく。 ここで時間を潰して、しばらく経ったら帰ろうかしら。 「やっぱりここにいたのか」 振り向くと、そこには彼がいた。 落ち着いたはずの私の心音が、再び高鳴っていく。 * 「黒猫、俺の話を聞いてほしい」 夕焼けの朱色に包まれた校舎裏で、その男は切り出した。 私はまっすぐな瞳で彼を見つめ返す―――ハズたったのに。 私は彼を直視することができないでいた。 彼の後ろから照りつける太陽がまぶしかったせいに違いない。 「な、なにかしら」 冷静を装っていたのに、口から出た言葉は頼りなく、弱々しく響いた。 「………俺は」 私の胸は、張り裂けんばかりに高鳴っている。 「俺はお前に呪いをかける」 え?な、なにを――― 彼の言葉を理解するより先に、彼の口が私の口を塞いだ。 私の体は硬直し、頭の中は真っ白になった。 どれくらい時間が経っただろうか。 数秒が永遠のようにも、一瞬のようにも感じられた。 私が、彼の言った「呪い」の「意味」にたどり着き、 やっと私の体が私の思考に追いついた頃、彼は体を離した。 「………遅くなって悪かった。本当はもっと早く返事するつもりだったんだが」 「ふん、まったくよ。どれだけ待ちくだびれたと思っているの」 「ホント、悪かったよ。桐乃を説得するのに、思ったより時間がかかっちまってな」 「……え?」 「諦めないんだろう?俺のことも桐乃のことも。 じゃあ彼氏としては、協力してやるのが筋ってもんじゃねーか」 ………莫迦ね。本当に莫迦。 莫迦で変態でシスコンで、鈍感でヘタレでどうしようもない先輩だけれど。 底抜けに優しい。 私は、何度も夢想した言葉を彼に語りかける。 「……私のことを、瑠璃と呼ぶことを許すわ」 私の言葉に、彼は――― おわり
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/597.html
http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1330012485/263-270 リビングに誰か居たら、断る。 少しでも誰かが起きているような気配がしたら断る。 そういう、断る理由を幾つも考えながら、階段を降りていく。 静かだった。誰もいないぐらいに静かだった。 もう皆、寝静まったのか? 確かに夜は遅い。だが、まだ寝静まるには早い様な気もする時間帯。 しかし、人の起きているような気配は感じられず、まるでこの家に自分しかいないような錯覚に陥る。 結果として、俺は断る理由も特に思いつかない儘、玄関まで辿り着いてしまった。 ……今からやろうとしている行動は、余りに危険だ。 あやせが、まだ家にいて、それで来ていいですかといっているのなら、確実に断っただろう。 しかし、現実、彼女はもう家の側まで来ていて。 (こんな夜中に、中学生の女の子を一人外に放置する訳にはいかないだろう……) なら中学生を夜、家に連れ込む事はどうなんだ。 いや、連れ込まなければいい。彼女の家まで送ろう。 それが一番、最も無難で、安全な提案だ。 玄関のドアを静かに開ける。 ひんやりとした外気が、家に入り込んでくる。 そして、少し開けたドアを覗きこむ様に、 「こんばんは、お兄さん」 あやせの顔が見えた。 やはり寒いのか、少し肌が白い。だが、頬は心なしか赤く。 眼は潤んでるかのようにさえ、思えた。 「……あやせ」 俺はそう呼びかける。 「何ですか、お兄さん」 あやせはそう答える。 どちらの声も、囁くような音量。 しかし、しっかりと耳に入り込んでくる。 俺は小さく息を吐いて、あやせに告げる。 「俺が送っていくから、あやせは帰るんだ」 息は白く、幻のように消えていく。 俺のその言葉に、あやせを息を飲んだ。 そして直ぐに表情を崩すと、こう言った。 「その格好でですか?」 ……? その格好、って。あ、そうか。先程まで寝てたんだから、俺はパジャマじゃないか。 更に言えば、ジャケットとか上着とかを忘れている。 「……今すぐ着替えてくるから、待ってるんだ」 「それなら寒いから玄関で待ってていいですか」 彼女の言い分も一理ある。玄関の扉を大きく開き、あやせを迎え入れる。 「お邪魔します」 小さな声で、そう呟き、そしてガチャリ、と閉まる扉に鍵を掛けた。 「……? あやせ?」 「お兄さんは、中学生を夜中の家に連れ込みましたね?」 「お、おい、何を言ってるんだ?」 あやせは背を向けて、ご丁寧にチェーンまで掛けていた。 「戸締りはしっかりとしないと駄目ですよ」 背筋が凍る様な、そんな感覚がした。 あやせは、帰る気がない。それは明確な意思表示。 「あ、あやせ。駄目だ。帰るんだ」 だが俺もここで引くわけにはいかなかった。 大体、桐乃に見つかったら、一瞬で色々な関係が瓦解する。 俺がただ変態と言われるだけならそれでいい。だが、あやせまで罵倒されてしまうのは論外だ。 彼女は親友を続けていくとまで言っていたのだからそれは決して望む展開ではない筈だ。 「お兄さんの部屋、2階でしたよね」 俺の言うことに耳を貸さず、靴を脱いで上がろうとするあやせ。 そのあやせを止めようとして肩に手をかける。 そこでタイミングを測ったかの様に、何かがコロンと地面に落ちた。 「あ。いけない」 あやせが、それを拾う。 「間違って鳴ってしまったら、問題ですからね」 抑揚のない口調。こちらを決して見ていない。 そして手に持っているそれは、 「……防犯ブザー」 気のせいでも何でもなく、この時、背筋は凍った。 わたしの言うことを聞かなければ、鳴らしますよという、そういう意味だろうか。 流石のあやせだって、そんな強要はしない筈だ。 分別はある奴なのだ。 「お兄さん。お願いですから、部屋まで入れてください」 そんな分別がある奴が、ここまで必死に頼むのだ。 恐らく俺がここで断っても、防犯ブザーを鳴らさないだろう。 肩に手をかけているから分かる。彼女は細かにだが震えている。 俺が、ここで断ったら彼女はちゃんと家に帰ってくれる。 けど、ここで断る事がどうしても出来なかった。 彼女がここまで来た理由。どうしても果たしたい何か。 そしてここで断る事が、彼女の何かを傷つけてしまうだろうという確信。 「……分かった。階段、暗いから気をつけろよ」 いざ見つかったら、俺の人生を投げ出してでもこの娘を守る。 そう決意を固めて。 // 俺の部屋。 電気をつけようかと悩んだが、月明かりのお陰かカーテンを開けているだけでそれなりに明るい。 見つかるリスクを考えると、とりあえずは電気を付けないでおこう。 「あやせ、この部屋の壁は薄いんだ。だからここでも声のトーンは下げておいてくれ」 「わかってます。桐乃に聞こえちゃいますからね」 お客様用のクッションを、あやせに差し出し、俺は床にそのまま座る。 ベッドに座るという選択肢もあったが、何となく彼女と同じ視線で話した方がいい気がしたからだ。 お互い座りあい、暫しの無言。このまま無言が続いてしまうと、話が続けづらくなってしまう。 だから俺から切り出した。 「こうして夜中に人を連れ込むのは、久しぶりだ」 「……他にも誰かを?」 しまった。話題の選択を間違えた。あやせの声が怖い。 暗くても分かるが、眼の虹彩が欠けている。 「いや、正確には連れ込んだじゃなく、忍びこまれたというか」 「……」 あやせの沈黙が、恐ろしい。 因みに、俺の部屋に忍び込んだのは桐乃の事だ。あの時が、初めての人生相談だったな。 「そして、逆にお兄さんが忍び込んだんですよね」 「ああ、そうだった、ってなんで知っている……!」 そして妹の部屋へ夜中に忍び込んだ兄がこちらとなります。 「桐乃に聞いたんですよ」 「あ……あいつ」 普通隠すだろ。何を話してやがるんだ。そこまで兄の世間体を失墜させたいのか。 「楽しそうでしたよ、桐乃。そして、嬉しそうでした」 へいへい、そうだろうよ。俺の弱みを掴んだんだからな、そりゃ嬉しいだろう。 「ねえ、お兄さん」 なんだよ。 「今日、一日中、桐乃に、看病を、してもらったんですよね?」 「……!」 光を失ったあやせの瞳が、こちらをじっと見ている。 気のせいか、あやせから黒いオーラさえ見えている気がする。 これが闇の力なのか、黒猫! ダークエンジェルの降臨? 「答えてください」 「あ、ああ。まあ、そうだな。ブツクサと言いながら、看病してくれた、のかな?」 文句を言っている時間の方が百倍長かったが、一応、看病はしてくれていた。 ひんやり。空気が冷えていくのが分かる。 え、何、この空気。 逃げ出したい。この部屋から。俺の部屋なのに。逃げ出したい、とても。 「お兄さん」 「な、なんでしょう」 「なんでベッドで寝てないんですか」 おまえを迎えに行ったりしてたからだよ! 「ベッドで寝てください」 「いや、そのお客さんがいるし」 「ベッドで寝なさい」 「は、はい」 あやせ怖ええ! 有無も言わさず命令形かよ。 まあ、考えてみれば俺も病人だしな。心配してくれてるんだろう。 全く眠くないので形だけだが、横になっていれば少しは安心してくれるだろう。 そんな訳で、俺はベッドに横になることにした。 しかし、なんだこの展開。 訳分からねえ。どうなるっていうんだ。そしてあやせは何が目的だ。 てっきり人生相談でも始まるのかと思っていたんだが。 「お兄さん、手を上にあげてください」 ベッドに横になった俺に、あやせはそう声をかける。 「? 上に? こうか?」 言われた通り、上に手をあげる。と同時にあやせの手が俺の手を掴み、 ぐきぃ! 無理やり頭の上の方へと倒される。 「いっ!」 な、何をしやがる、え、何、今からリンチ!? 涙目であやせに文句を言おうとあやせの顔が間近にあった。 もう鼻と鼻がくっつきそうなそんな距離。女性の匂いが鼻腔を撫ぜる。 「あ…やせ?」 ガチャリ。 え? 手を動かしてみる。 ガチャガチャ。 ええ? ま、まさか。 「逮捕しました」 目の前のあやせがそんな事を言う。 その言葉から、確信を得る。俺は今、手錠を掛けられた。 懐かしいひんやりとした金属の感覚。これは手錠だ。 「な、なんで?」 当然の疑問を、あやせに投げかける。 「お兄さんがしっかりと安静してないからです」 いや、だからそれはあやせを迎えにいったからで。 それまではちゃんと寝てましたよ、ええ、ほんとに。 「それと、もうひとつ」 「も、もうひとつ?」 「お、お兄さんが逃げないように」 いや、ここは俺の部屋だし。確かにさっき逃げたくなったが、手錠を掛けられるレベルじゃあ無かったんだが。 「きっとお兄さんは、止めるでしょうから」 止める? 「な、なにを?」 あやせは答えない。虹彩が欠けていた瞳が、今は潤んでいる。 頬もこの暗さでも分かるぐらいに赤く、染まっている。 風邪でも引いたのか、なんて言える訳も無かった。 部屋を徐々に支配していくこの空気は。 「お、お兄さん」 「あ、あやせ?」 手を動かそうなんて思えなかった。徐々に近づいていくる端正な顔。 何が起きようとしているか分かっているのに判ってない感覚。 脳みその奥が、痺れたように働かない。 「おにぃ、、さん」 そして。 そしてそして。 自分の唇が塞がれる感覚。あやせは、眼を閉じていた。俺は眼を閉じることが出来なかった。 脳が働かない。分かるのは、この艶めかしい感覚。 唇に唇が触れているというその感覚。しっとりとした、柔らかいそれが、俺の口を塞いでいる。 「……ん、ぅ」 何が、起きている? 疑問が何度も何度も沸く。その度、唇の感覚がそれを打ち消していく。 鼻にかかったようなあやせの声。そう、あやせだ。俺は今、あやせと、あやせと? ――京介の邪魔をすんなぁっ! 「……!」 ガチャ、ガチャ! 手が、動かない。 ガチャガチャ! 手が、動かない! 「……」 あやせの眼が、開く。唇を離さない儘。 俺はその眼をしっかりと見つめ、いや睨み返す。 あやせ。俺はお前を桐乃のようだと思った。 しかし、決定的にお前と桐乃は違う。 桐乃は、こうやって相手を動けなくして唇を奪うような真似はしない。 俺の妹は、そんなやつじゃない。 「んんんんっ!」 あやせっ! あやせの瞳は、静かに光を失っていく。 失意? いや、そこに宿るのは決意。 更に覆いかぶさるように、あやせは態勢を変える。 唇を塞いだまま。 瞳は俺の瞳を覗きこんだ儘。 「――っ!!」 ぬるっ、とした感触。俺の唇を、何かが割って入ろうとする。 舌だ。俺の理性は叫ぶ。舌が入ってこようとしている。 しかし、俺の身体を支配している感覚は、まるでそれを理解しようとしていない。 口を開けては駄目だ。開けたらきっと、駄目だ。 俺の唇をなぞるように、あやせの舌が動く。 くちゅ、ちゅ。 淫猥な音が、部屋に響く。元々熱で浮かされていた身体が、別の何かにより更に浮かされていく。 気持ち悪いようで、気持ち良い。 脳の理性が、徐々に剥がれ落ちていく。 あやせは上半身を俺に覆いかぶさるように、口付けを重ねていく。 あやせの身体の感覚が、伝わってくる。 しっとりとした、重み。柔らかい、暖かさ。 この手錠がなければ、思わず抱きしめてしまうようなその感覚。 兄貴が剥がされ、男で上書きをされていく。 俺は、泣いていた。 男の癖に、馬鹿みたいに泣いていた。 なんで泣いているのか分からなかったが、しかし涙が止まらなかった。 「……お兄さん」 唇を離す。一本の線が、俺とあやせの唇を繋ぎ、そして切れた。 「ごめんなさい」 あやせはそう言う。 でも俺は何も返せない。 「わたしは……嫉妬しました」 あやせの、告白が、始まった。 「桐乃、凄く楽しそうにわたしに報告をしてきました」 あやせが身体を起こし、俺の上から離れる。 「京介を、看病してあげたんだって。おかゆ、食べさせてあげたんだって。熱で浮かされながら」 言葉を、ゆっくりと紡いでいく。 「あたしの名前を呼ぶんだって」 ぞくん。あやせの眼が壁へと向けられる。その瞳は、とても穏やかとは言えなかった。 この壁の向こうには、桐乃が眠っている。 「俺が…桐乃の?」 そんな記憶は無かった。だが、言ってないとも言えなかった。 「はい。おかしいですよね。そういう時に言うのは、愛しい人の名でしょう?」 あやせは、俺へと視線を戻す。 「別にわたしの名前じゃなくてもいいです。でも、なんで桐乃なんですか」 それは……。 「こんな薄い壁一つ隣で寝ている妹の名を、何故、あなたは言うんですかっ!」 俺は、何も返せない。 「それを聞いた時、わたしは許せなかった。桐乃も、あなたも」 「熱に浮かされた時に妹の名を言うあなたを、そして、それを嬉しそうに語る桐乃を!」 彼女の、独白は終わらない。 「なんで、ですか?」 あやせは、俺の唇に指を添えて。 「なんで、わたしが、キスをしてる時でさえ」 唇の形になぞって。 「桐乃を思い出すんです?」 俺は、、何も、返せない。 「知ってますか?」 ……。 「今日、この家に桐乃とお兄さんしかいないんですよ?」 ……え? 「桐乃が言ってました。詳しくは聞いていませんが、お父さんの同僚が何か大変な事になってしまって。それで両親二人で行ったらしい です」 ……それは、 「……知らなかった」 道理で。 まるで一階に人の気配を感じられなかった訳だ。 「今日、桐乃とお兄さんは二人きりだったんです」 だから、だからか。 頑なに、この部屋に来ようとしたのか。 「そうです。邪魔をしにきてやりました」 こんな夜中に。 桐乃から話を聞いて、我慢出来なくなって。耐えられなくて。 家が厳しいだろうに、それを抜けだして。 寒さの中、こんな夜中を独りで。 ただただ、俺と桐乃を二人きりにさせない為に。 「……そうだったのか」 「……はい」 あやせの告白が終わったようだ。 なら、ここからは、 「桐乃。起きてるんでしょ?」 俺が……ってあれ? 「あ、あやせ?」 桐乃が起きてる、ってどういう事? 「お兄さんと二人きりの今日を、桐乃が見逃す筈がないじゃないですか。 例え、なんの行動が出来なかったとしても、おとなしく眠りにつけているとは思えません」 いや、つ、ついてるんじゃないかな。 「あやせ、何か思い違いをしてないか。確かに俺は、そのこんな時に桐乃を思い出してしまうような、シスコン野郎だが、桐乃は、別に 兄と二人きりだからといって」 それで眠れなくなるような……。 ガチャ。 扉が開く音。 ――ああ、なんで俺の部屋に鍵は付かないんだろうな。 「……桐乃」 「死ね。キモい」 パジャマ姿。確か桐乃が気に入っていた柄のものだ。 夜だというのに、心なしか化粧がされているような顔で。 少し沈痛そうな表情を浮かべて。 俺の妹が、そこに立っていた。
https://w.atwiki.jp/midnight_animation/pages/18.html
【公式ホームページ】 イントロダクション (公式ホームページより引用) タイトル ※画質はVeohより悪いですが、動作が安定しており、削除基準が甘いようなのでMEGA VIDEOにリンク換えしました。 1話:「そして箱は開けられた」 【MEGA VIDEO】【】 2話:「戦慄の宴」 【MEGA VIDEO】【】 3話:「欠けてる気持ち」 【MEGA VIDEO】【】 4話:「再会の迷宮(ラビリンス)」 【MEGA VIDEO】【】 5話:「危険地帯(デンジャー・ゾーン)」 【MEGA VIDEO】【】 6話:「舞踏会への招待状」 【MEGA VIDEO】【】 7話:「プリンセス革命(クーデター)」 【MEGA VIDEO】【】 8話:「一蓮托生」 【MEGA VIDEO】【】 9話:「天使の言霊(ことだま)」 【MEGA VIDEO】【】 10話:「てのひらのブルー」 【MEGA VIDEO】【】 11話:「嵐の素顔」 【MEGA VIDEO】【】 12話:「開いた傷口」 【MEGA VIDEO】【】 13話:「バトルガール」 【MEGA VIDEO】【】 14話:「秘密のスタンプ帳」 【MEGA VIDEO】【B9】 15話:「地雷源と一緒」 【Veoh】【B9】 16話:「嫌い×嫌い」 【Veoh】【B9】 17話:「」 【Veoh】【B9】 18話:「」 【B9】【】 19話:「」 【B9】【】 20話:「」 【B9】【】 21話:「資格を持つ者」 【B9】【ぱらすて】 22話: 【B9】【ぱらすて】 23話:「ひかれた引き金」 【ぱらすて】【】 24話:「」 【ぱらすて】【】 ※リンク切れ修正しました。どこを中心に更新していくか検討中です。 ・放送時間 放送局 放送開始 曜日 放送時間 テレビ東京 10月5日より 毎週日曜日 26:00~26:30 テレビ愛知 10月6日より 毎週月曜日 26:58~27:28 TVQ九州放送 10月7日より 毎週火曜日 26:23~26:53 テレビせとうち 10月8日より 毎週水曜日 25:18~25:48 テレビ北海道 10月14日より 毎週火曜日 26:00~26:30 ※放送日時は変更となる場合がございます。あらかじめご了承ください。 ・各種情報 キャスト 最上キョーコ 井上麻里奈 敦賀蓮 小西克幸 不破尚 宮野真守 社倖一 川中子雅人 琴南奏江 早水リサ 【トップページ】/【掲示板】
https://w.atwiki.jp/orenoimoutoga/pages/102.html
「そいつを…兄貴をあたしから奪うな!」 「なっ―――!?」 「…あら、貴女に何の権利があってそんなことを言う口があるの?」 「あ、あたしはそい…あ、兄貴の妹だし…!」 「妹なら兄の恋路を邪魔しても構わないというのかしら」 「お、おい。黒猫…」 「先輩は黙ってなさい それでどうなのかしら、桐乃ちゃん…?」 「あ、あた、あたしのほうが、兄貴のこと大切にする…! あんたよりもずっと……!」 「おま……っ!」 「フッ、大切なんて言葉、口だけでは何とでも言えるわ 貴女は今までの兄に対する行動を顧みたことがあった?」 「そ、それは……」 「本当に貴女は、貴女の兄を大切にしていると言えるの? それにそんな勢いだけの言葉で説得しようだなんて、腹で茶を沸かすレベルというものだわ」 「……………う」 「―――――――っ!!」 「貴女はただ兄に依存してるだけ そして、今の貴女はおもちゃを取り上げられて駄々をこねるお子様のようなものよ そんな貴女に何が言えるというの?」 「……………」 「―――――――ないの」 「え…?」 「…わかんないのっ! あんたや地味子が兄貴と一緒にいるとなんか腹立つし…っ! 彼女みたいなデートすれば二人で楽しめると思っても妹扱いされただけで腹立つし…っ! 一緒にいたいって思っても上手くいかない…っ! …あんたみたいに兄貴を楽しませてあげることなんて、できないっ!」 「桐乃……」 「でも、あたしは兄貴と一緒にいたい…っ! 妹とか彼女とかそんなのわかんない、けどっ!」 「…………兄貴が…好きなの……もう離れたく、ないの…!」 「あ……………」 「ふぅ…やっと素直に言えたのね」 兄貴解凍中 「…黒猫」 「なにかしら」 「俺、やっぱとんでもないシスコンらしくてさ …せめてこいつにちゃんとした彼氏ができるまでは誰かと付き合うとか、そういうことは俺にはできないみたいだ」 「………」 「それに…偽とはいえ御鏡追い出しちまったんだから最後まで面倒見てやるのが兄貴の…俺の務めだと、思う」 「だから…すまん」 「…そう ま、貴方ならそう言うんじゃないかと思っていたわ」 「……すまん」 「…そこまで謝らなくても結構よ でもあなたの呪いは解けないわ 私はあなたも、…あなたの妹も諦めたわけではないもの」 「…ねぇ」 「…なんだ?」 「あいつのこと……本当に良かったの?」 「……聞いてただろ 彼氏ができるまでは、面倒みてやるよ」 「……ずっと、できなかったら…どうすんのよ」 「できなかったら……、っておまえ…」 「私にか、彼氏ができなかったら…どうするワケ?」 「…最後まで面倒見てやるって言っただろ それが俺の、務めだ」 「………………キモ」 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ TRRRR...TRR 「…………もしもし、…何かしら」 「………」 「…いたずらなら切るわよ?」 「……………ごめん、なさい」 「……貴女にも、謝られる必要なんてないわ」 「でも、あたしあんたに…っ」 「言ったでしょう 先輩も、………貴女も諦めないって」 「………」 「…私は、先輩のことも、貴女のことも……同じくらい好きよ」 「……っ」 「………それじゃ、切るわね」 「あ、あたしもっ…!」 「…あたしも、あんたのこと…好き、だから」 「……そう、…ありがとう」 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「……また休日の朝からエロゲーやってんの?」 「おまえが今日中にコンプしろとか言ったんじゃねぇか!?」 「あー、そだっけ?」 「昨日だよ!? 昨日の夜いきなり俺にエロゲー渡して言ったんデスヨ!?」 「う………い、色々あって忘れてただけだっての!」 「あーへいへい で、その休日の朝っぱらエロゲーやってるお兄様になんの御用でしょうか」 「お兄様って…キモ……バカじゃん?」 「泣くぞてめぇ!」 「ど、怒鳴らなくてもいいじゃん」 「はぁ…、で何の用だ?」 「あ… きょ、今日さ暇…なんだよね?」 「おう。エロゲー以外にだけどな」 「な、ならさ お母さん達もいないし… 外にご飯食べに行かない?」 「ん、あー……二人で、か?」 「う、うん…」 「……行くか」 「そ、それじゃ準備してくるから、ちょっと待ってて!」 「…おう」 「言っとくけど、家族で外食じゃなくてちゃんとしたデートだからね!」 「な―――――――っ」 「行こ、兄貴」
https://w.atwiki.jp/orenoimoutoga/pages/73.html
論点1 ”変な勘違い”とは何か 論点2 喫茶店に来た女は本当にエターナルブルーの社長か 論点3 社長は本当に桐乃達のデートを尾行したのか 論点4 御鏡との偽装彼氏計画が始まったのはいつか 論点5 桐乃はなぜ京介とフェイトが知り合いであることを疑問に思わないのか 論点6 気持ち悪いみたいな顔をした「あのとき」とはいつのことか 論点7 桐乃はいつ「どうしてほしい?」と聞いたのか 論点8 兄貴の義務を果たすとはどういった意味か 論点9 京介はいつ桐乃が誰と付き合おうと勝手だと言ったのか 論点10 あやせはいつ京介と桐乃のプリクラを入手したのか。あやせの質問どういう意味をもつのか 論点1 ”変な勘違い”とは何か p16最終行において、桐乃は「あんたがシスコンだから変な勘違いしちゃうんでしょ!?」との言葉を発している。 その言葉は、わざわざ傍点が振られていることからも重要なセリフであると思われるが、これを如何なる意図を持って発せられたものと解するかについてはいくつかの考えが成り立ちうる。 まず一つの考えとして、京介がシスコンであるため、「桐乃が」京介に告白しても大丈夫だと勘違いしたのだとする考えがある(A説)。 次に、京介がシスコンであるため、「京介が」桐乃が彼氏の振りをしてくれと言ったのを、本当に彼氏になって欲しいと言ったと勘違いしたのだというものがある(B説)。 さらに、上記A説とB説の主張する二つの意味をともに持つとする考えがある(C説)。 A説は、次のような根拠に基づく。 まず、「桐乃は目を見開いて固まった。真っ赤たっだ顔が一瞬にして蒼白になり-一転、ギリッと歯を食いしばった。」といった桐乃の反応が、単に京介が勘違いしただけにしては劇的に過ぎるというものである。 つぎに、これは論点6にも関わるが、「あのときは気持ち悪いみたいな顔したくせに」(p280)の「あのとき」として妥当な箇所が、「俺がドン引き気味の返答を」(p16)の部分だというものがある。この考えが正しい場合、p280の時点では桐乃は京介に対して恋愛感情をぶつけてきていると思われるため、p16の時点においても、桐乃が京介に恋愛感情をもっていることを前提とした解釈、すなわちA説が妥当だというのである。 また、このシーンの直前では京介がリア対して「桐乃は超好きな俺に再会できたおかげで~」(6巻p273)というように、京介が桐乃の好意を知っていてかつそれを受け入れるようなことを話をしており、桐乃はそれを立ち聞きしていた可能性が高い(6巻p274「扉の前でスタンバイしていたかのよーなタイミングで」)ことも根拠とする。 もっともA説は、この説の考えでは桐乃は京介に告白しようとしてそれを取りやめたと考えるのであろうが、もしそうだとすれば、告白を引っ込めた後にA説の言うような内容の言葉を発するのは矛盾であると批判される。 B説は、京介が地の文でした理解といえる。 この説に対しては、桐乃は「俺はシスコンだぁ~って~叫んだくせに」(p17)と言っているところ、もし桐乃がB説の言うような意味で言ったとすれば、「くせに」という逆接的な言葉は出てこないはずだとの反論がある。 C説は、上記両説の考えを採り入れ、以下のように解釈する。 作品内で傍点をつけられた箇所はダブルミーニングであることが多く、過去の傍点部分から総合的に判断すれば、この場においても適用することが可能と言え、A説B説どちらの意味も持つと解するのが妥当であるとする。 即ち、A説が批判されるように、あの段階で桐乃が京介への好意を素直に吐露するとは考えづらい。 しかし、A説の主張するように、桐乃は京介に好意を持っており、京介にした告白は真意に基づくものと考えるのが適当だと言える。 したがって、桐乃の発言の解釈としては、表面上の意図としてはB説のいう意味で発されているが、p16「くせに」等の部分において、桐乃の内面すなわちA説のいう意図が漏れてしまっていると解するのが妥当であるとするのである。 論点2 喫茶店に来た女は本当にエターナルブルーの社長か 京介が喫茶店で会ったエターナルブルーの女社長藤真美咲は「フェイトに似ている」と描写されているため、彼女がフェイトであるか否かに関し考察する。 まず、彼女は社長本人ではなくフェイトの変装であるとの考えがある(A説)。 この考えの根拠は、「俺の知り合いの中ではフェイトさんに雰囲気が似ている。声も体格もそっくりだ。あの人がコスプレをしたら、ちょうどこんな感じじゃねえかな。」(p18)、「フェイトさんが俺にメシをたかろうとしているときと同じ、狩人の眼」(p24)といったように、フェイトと喫茶店の女性との類似性を示す記述があることにある。 また、桐乃はフェイトに金を貸しているのだが(p169)、この変装の見返りとして貸したとすれば説明が付きやすいといった点も根拠になり得る。 さらに、京介の「俺だったら知り合いの変装くらい、ぜってー一発で見抜くよ?」(p46)との記述は、逆に変装を見破れなかったことを示唆しており、喫茶店の女がフェイトであったことを示しているとも考えられる。 もっとも、この点については、かかる記述は6巻で沙織の変装を見抜けなかったこと、又は白いワンピースを着た黒猫に気付けなかったこと(158~9)を指しているとの反論もある。 また、桐乃がフェイトと京介が知り合いであることを知っていたとすれば(論点5のA説)、フェイトを藤真社長の替え玉とすることは考えづらいとの指摘もある。 なお、この説は、論点5において述べるように、論点5のC説と相互に正当性を補強し合う関係にある。 次に、彼女はエターナルブルー社長本人だとの考えがある(B説)。 B説の根拠としては、p90のあやせのセリフから、藤間社長が桐乃をスカウトしているのが事実であることがあること、及び、p288~9において、京介と桐乃が兄妹であることが藤真社長に看破されているとの記述がある事にもとめられる。 即ち、あやせのセリフによって、藤間社長のスカウトが桐乃や御鏡の狂言ではないことが確定できる。そして、京介と桐乃が兄妹であるということを藤間社長が看破したというのであれば、実際に2人を見たことがあると考えるのが自然であり、だとすれば少なくとも喫茶店で会った女は藤間社長本人であると考えるのが穏当だというのである。 しかし、これに対しては、仮に喫茶店の女が藤間社長本人であったとしても、2人が「恋人でない」ことを看破するのであればともかくとして、2人が「兄妹である」ことまでをも看破するのは困難であるとの批判がある。 また、社長が桐乃の交友関係を本当に調べたいのであれば興信所に依頼する方が確実であり(興信所の調査であれば京介が兄であることは明確になろう)、多忙であろう社長が自ら彼氏の面接などをする必要はないとの批判もある。 論点3 社長は本当に桐乃達のデートを尾行したのか 桐乃は藤間社長が自分たちのデートを尾行したと述べているが、それを証明する証拠が彼女の言葉しかないため、それが事実であったのかには疑問が残る。 まず、論点2のA説が正しい場合は、桐乃と京介のデートに尾行が付いた可能性は極めて低い。 何故なら、論点2でA説を採った場合、藤間社長は桐乃と京介がその日にデートをすることを聞いていないことになり、そうするとデートの存在自体知らないことになるので尾行などするはずはないからである。 なお、喫茶店の面談は狂言であるが、それ以前に本物の藤間社長にデートの日取りを伝えてあったという可能性も無いではない。しかし、そうすると京介が喫茶店に行けなかった場合や、喫茶店での会話でデートの予定が話題に挙げられなかった場合などには、計画が大きく破綻するため、そのようなリスキーな選択をしたというのはやや不自然といえよう。 また、論点2のB説が正しいとしても、おそらくは多忙であろう藤間社長が、自ら中学生のデートを尾行するなどということは常識的に考えて有り得ないと言うべきである。 これとは別に、加奈子が観察員の役割を果たしていたのではないかとの意見もあるが、仮に加奈子と藤間社長に繋がりがあるとしても、藤間社長が女子中学生でありしかも観察対象の友人である加奈子の観察眼に重きを置くとも思えず、この考えは可能性が低いと言うべきである。 なお、興信所にでも依頼して尾行させた可能性もないではないが、仮にそのようなことがあったとしても、それは桐乃の主張とはずいぶんとかけ離れた状態であるといえよう。 論点4 御鏡との偽装彼氏計画が始まったのはいつか 桐乃と御鏡が付き合っているというのは「ウソ」だと桐乃によって明かされているが(p280)、ではこの偽装彼氏計画はいつの時点から計画されていたのだろうか。 まず、桐乃が「本当の彼氏に頼むから」(p75)と言ってからコミケまでの間に計画されたとの考えがある(A説)。 この説の根拠は、p136で桐乃が「今度紹介してあげよっか? あたしの彼氏」と言っているが、この時桐乃は京介に嫉妬されて「いきなり眼を輝かせて、めちゃくちゃ嬉しそうに」している状態なのだから、もしこの時点で偽装彼氏計画が無いのであればこのような言葉を言う必要は無いはずだというものである。 また、コミケで桐乃が御鏡に京介を「兄貴」と強調して紹介していた(p229)のは、計画の目標を御鏡に示すためであり、したがってこの時点において御鏡には話が通っていると考えることができるとする。 次に、コミケで御鏡と会った時に思いついたとの考えがある(B説)。 この説は、桐乃が御鏡の発言を止めたこと(p224~5)から、この時点では2人の間に共謀はなかったとする。 そして、「何度か、二人で会ったりしてて」という二人の親密な関係を匂わせる発言を桐乃がしていることから、その時点において計画は発動していると考えるのである。 具体的な計画の発生時点としては、桐乃が「いま考えてるから」と考え込んだときとされる。 B説に対しては、A説から以下の反論がある。 まず、桐乃が御鏡の発言を止めたことについては、この時点では御鏡は京介の顔を知らないため、今後の計画に齟齬が出ないように黙らせる必要があったと考えることができる。 また、桐乃が考え込んだのは、今後の全計画を考えていたのではなく、偶然の接近を既にある計画にどのように組み込むべきかを考えていたと解することができる。 また、コミケの打ち上げ以後に計画が立てられたとする考えがある(C説)。 この説は、p136で桐乃が京介に嫉妬されて「いきなり眼を輝かせて、めちゃくちゃ嬉しそうに」していたのだから、京介と黒猫との関係を知るまでは、桐乃には偽装彼氏計画などを立てる動機が無いと主張する。 もっともこの説に対しては、御鏡が高坂家へ来たのはコミケ打ち上げの翌日であり(p242、260)、実行が不可能ではないにしてもあまりに計画がタイトすぎるとの批判がある。 また、コミケの時点で計画が無いのであれば、その時の桐乃の妙な行動に説明がつかないとも批判される。 以上の説とは次元を異にするものとして、御鏡との偽装彼氏計画など始めからなかったという考えがある(D説)。 すなわち、桐乃と御鏡の関係は(少なくとも桐乃の主観において)偽装の恋人ではなく、本当に彼氏彼女の関係にあったとするのである。 この説は、他説に対し、もし桐乃と御鏡の関係が偽装であるとすれば、最初に二人の邪魔をしにきた京介に対する桐乃の態度が冷たく激しすぎる(p263)との批判を浴びせる。 そして、桐乃が「もう……遅いよ……」(p275)と言ったことや、御鏡が「少しだけ寂しそうに」(p281)していたことは、単に桐乃と御鏡の関係が偽装の恋人であったというだけでは説明がつかず、二人の間にはそれ以上の関係があったと主張するのである。 この説によれば、桐乃は、デートでの態度や黒猫との関係から京介への想いを諦め、御鏡と本気で付き合ったのだとする。 そして、桐乃がなぜ御鏡と付き合っているのがウソだと言ったかといえば、京介が御鏡に言った言葉から、まだ京介の気持ちを自分に引き寄せることができるのだと考えて、なりふり構わずに御鏡を切り捨てたのだということになる。 論点5 桐乃はなぜ京介とフェイトが知り合いであることを疑問に思わないのか コミケにおいてフェイトは、自ら京介に対し声をかけている(p167)。しかもフェイトは、桐乃よりも京介の名前を先に呼び、また名前もおぼろげな黒猫との対比においても、桐乃と同等以上の親密さを京介に対して示している。 京介とフェイトが知り合いであることを知らないはずであるのに、何故桐乃はコミケでフェイトが京介と親しげにしていることに疑問を持たなかったのか。 まず前提として、何故桐乃は京介とフェイトが知り合いであることを知らないはずだと言えるのかに関して説明する。 桐乃がフェイトと初めて会った際、その席に京介は同席していない(3巻307「この話は、フェイトさんと桐乃の2人から、別々に聞いた)。 また、桐乃はその後も妹空の編集作業のためフェイトと会っているのだが(5巻169~170)、そのことを京介は知らない。 これらのことから、フェイトと京介は桐乃を介して会ったことはなく、桐乃は京介とフェイトが知り合いであることを知らないはずだといえるのである。 以上を前提としつつ、実は桐乃はフェイトと京介が知り合いであることを知っていたとする考えがある(A説)。 この考えの問題点は、何故桐乃はフェイトと京介が知り合いだということを知り得たかである。 もっとも、京介がフェイトに口止めをしたからといっても、桐乃はフェイトと京介が知り合いであることを簡単に知り得るといえる。 何故なら、小説を盗用した人間が特に追及されたわけでもないのに素直に謝りに来るというのは不自然と言うべきであり、その裏には何ものかの関与があったと考えるのが自然であるといえる。そして、小説の盗用について桐乃は親にも黒猫達にも話していないのであり、盗用について知っているのは京介だけである以上、京介が桐乃のために裏で何か力を尽くしたと推測することは、何度も京介に助けられてきた桐野にとっては容易なことだといえるからである。 (なお、京介の他に盗用について聞いているかも知れない人物にあやせがいるが、もしあやせがそのことを聞いていたとしたらフェイトが生きているのがおかしいため、あやせは盗用について知らないと考えるのが妥当である。) また、単純にフェイトが約束を破って桐乃に話してしまったと考えることも出来る。ダメ人間に口止めなどしたところで、所詮は無駄なのである。 桐乃が3巻の騒動に黒猫も関わっていたことまで推理することが困難であることからすれば、単純にフェイトがバラしたと考える方が自然と言えようか。 なんにせよ、5巻のp165における桐乃が京介の携帯番号をフェイトに教えたとの記述は、どういったルートかはともかくとして、桐乃がフェイトと京介に繋がりがある、即ち3巻の事件を解決したのが京介であると知っていることを補強する要因にはなろう。 桐乃は、単純に京介とフェイトが知り合いでないはずだということに気づかなかったという考えもあり得る(B説)。 とりあえず別名桐乃お馬鹿さん説とでもしておこう。 これとは別に、桐乃は、京介とフェイトが知り合いであると勘違いしてしまった、という考えもあり得る(C説)。 どういうことかといえば、論点2のA説を前提とした場合、桐乃の認識からすればフェイトと京介は既に喫茶店で会っているため、桐乃は2人が既に知り合いであると思ってしまったというものである。 もちろん、京介が喫茶店で会ったのは偽物とはいえ藤真社長なのであるから、フェイトと京介が知り合いだというのはおかしいのだが、とっさの出会いで上のような間違いを犯してしまうことはあり得るとはいえるだろう。 この説による場合、論点2のA説はこの説の前提となり、この説の解釈が論点2のA説を補強するという関係が成り立つ。 なお、このように論点2のA説は、論点5におけるC説と親和性を持つが、逆にA説とは相反する関係に立つ。 何故なら、桐乃がフェイトと京介が知り合いであることを知っていたとすれば、フェイトを藤真社長の替え玉とすることは考えづらいからである。 論点6 気持ち悪いみたいな顔をした「あのとき」とはいつのことか p.280において、桐乃は京介に「あのときは気持ち悪いみたいな顔したくせに!」と述べている。 「あのとき」とは、いつのことか? と議論されることが多いが、これは7巻p.15-16と思われるとする説が有力である(A説)。 広義には上記に1巻pp.64-65・p.73、2巻pp.368-369も加えられるかもしれない(B説)。 また、作品内で傍点をつけられた箇所はダブルミーニングであることが多く、「あのとき」の四文字に傍点が付けられていることから、まだ作品内で語られていない過去になにか類似の事案があったことを含めて桐乃が述べた可能性もある(C説)。 論点7 桐乃はいつ「どうしてほしい?」と聞いたのか p273において、京介は桐乃に「昨日おまえ、俺に聞いたよな。『どうしてほしい?』って……」と述べている。 そして、7巻の初版では該当日に関する部分にはそのような記述はなかったため、上記発言をどのような意味を持つものと解するかについて議論があった。 もっとも、初版における以下のような記述が、 「へぇ」 彼、ね。 『モデルに復帰するかどうかも決めてない』――確かに、帰国した直後、そんな内容の電話をしていた気がする。 「で? なんでそんなことを『今』言ったんだ」 「ふん」 桐乃は鼻で嗤った。 「……なんでだと思う?」 「はぁ? てめーのことだろうが。なんで俺に聞いてんだよ」 ――第7巻初版、pp253-254 第2版(再版)以降は以下のように訂正されており、 「へぇ」 彼、ね。『モデルに復帰するかどうかも決めてない』――確かに、帰国した直後、そんな内容の電話をしていた気がする。 「で? なんでそんなことを『今』言ったんだ」 「……。なんでだと思う?」 知るかよ。 「――どうするつもりなんだ」 「……あんたは、どうして欲しい?」 「はぁ? てめーのことだろうが。なんで俺に聞いてんだよ」 ――第7巻再版、pp253-254 現在では単なる記述忘れであることが判明している。 論点8 兄貴の義務を果たすとはどういった意味か p285で京介は、桐乃の頭をなでながら「兄貴の義務を果たしてんだよ」と言っているが、この行為はいったいどういった意味をもつのであろうか。 文字通り兄としての行為とみる者もいれば、京介が自分の複雑な感情に-自ら気付いてか気付かずか意見はわかれるが-もてあました上の行為だとみる者もいる。 論点9 京介はいつ桐乃が誰と付き合おうと勝手だと言ったのか p.254に桐乃の「だって、誰と付き合おうがあたしの勝手なんでしょ? あんたが言ったんじゃん」という言葉があるが、京介が実際に声に出してそのようなことを言った場面は無い。これは作者の記述忘れであるとする考えがある(A説)。 これに対しては京介が「そういうのはなあ、兄貴じゃなくて、お前の彼氏に言ってやれ!」(7巻p.74)と述べた台詞が、桐乃にとっては「誰と付き合おうが桐乃の勝手」と京介に言われたこととして解釈できるという考えがある(B説)。4巻の黒猫漫画で桐乃をモデルにしたキャラはいつも悪い方に解釈する、とされていることも論拠となる。 あるいは第4巻pp.91-92における、京介が麻奈実を家に連れ込んだとしても桐乃には文句を言う筋合いはない、という台詞に対応しているという考えもある(C説)。もっとも、ここでも桐乃の「ハァ? じゃあアタシが彼氏を連れ込んでリビングで、エ――エッチしてもいいってのアンタは!」という問いに対して、京介は「それとこれとは全然別もん」だと答えており、「誰と付き合おうが勝手」とは言っていない。B説と同様に「桐乃がそう解釈した」ということになる。 論点10 あやせはいつ京介と桐乃のプリクラを入手したのか。あやせの質問どういう意味をもつのか 桐乃と京介のプリクラは2枚。京介はエロ本に挟んで隠しており桐乃はデートの帰りに京介に投げつけている。しかし何故かあやせが保持しており京介問い詰めに利用している。入手経路は? あやせが京介の部屋から盗んだ アキバblogのインタビューでの伏見つかさ回答 http //blog.livedoor.jp/geek/archives/51093120.html 桐乃が投げつけたのは別のプリクラだった 桐乃は手帳などに張っており後日あやせに渡した 桐乃は撮影の際プリクラ機に張っておりあやせはそれをはがした 京介が「桐乃に彼氏がいない」ことがを報告した際、あやせは『…お兄さん、桐乃が投げてきたプリクラ、ちゃんと確認しました?』と京介に問いかけている。何故この質問をしたのか 尚、京介は「え?してないけど」と回答している 意見・批判等 御鏡がなんで協力したのかといえば、ぶっちゃけ惚れてるからでは。京介は(器用な)勘違いをしていると思われる。彼は『こんな恋愛がしてみたい』と言ったのであって、「本当の恋を知りました」ではない。京介思うところの「心に決めた恋人」用に作ったであろう、『世界で一つしかない(by桐乃)』『確かに無駄に凝ってる(by黒猫)』もんを、京介が考える「気持ち悪いレベルのキモオタ」は、簡単に三次元の女なんかにあげるのか? 『僕には無理です。到底つとまりません』なんて言う御鏡は、ことによったら、京介以上の大ウソつきだ(まぁ本命は実はみやびで、りんこりん用は一つしか作ってないが、みやびちゃん用は山のように作ってたとかいう可能性はあるのかもしれないがw)。 -- (名無しさん) 2011-08-01 21 32 19 母親がキンシンを思い浮かべたのは、部屋に堂々とシス×シスがあるせいじゃ? …でもこういうのって隠すとかえってヤバいのか。だから出しとくしかなかったんだろうか。あ、おんなじ理由で8巻のプリクラ冷蔵庫+携帯なんだろうか。なんにしろプリクラが見つかってんのだけは確実だしw あとこっちがどう母に伝わってるのか分からんのだが、一年ほど前の「いかがわしいブツ」は京介のという建前なんだよな。 -- (名無しさん) 2011-08-01 21 35 19 黒猫が桐乃の行動を恋心と思ってるかどうかちょっとあやしい。桐乃のキス発言を「お子様」と断じたのは、桐乃の気持ちを「子供っぽい独占欲」と見てて、「恋」と思ってないからじゃない? -- (名無しさん) 2011-08-01 21 37 18 9巻で藤真社長登場。京介がわからなかったのはA説の補強に見えますが、桐乃がさらっと「あんたも会ったことあるでしょ?」と言うのは、京介が「いや、絶対別人だろ!」と断定してくる可能性を考えるとリスキーな気も。ただ、文章で見ると確かに発言の感じとか大分雰囲気が違うと思う。 -- (名無しさん) 2011-09-11 12 35 04 ↑×2の「黒猫が桐乃の行動を恋心と思っているかどうかちょっとあやしい」について。個人的には、黒猫は桐乃の言動/行動を恋心とは思っていないと思う。根拠としては、(1)「好きよ……あなたの妹が、あなたのことを好きなくらいには」(5巻 p217 8行目)(2)「好きよ……あなたの妹が、あなたのことを好きな気持ちに、負けないくらい」(7巻 p245 7行目)上記の黒猫の台詞から、桐乃の京介に対する感情を推し量った場合、(1) 頼りになる先輩(桐乃的には身内に対する信頼/好意?)(2) 恋愛感情ってことになると思われるので。また、7巻で桐乃が御鏡と付き合っていると言って、黒猫が激怒したのも、自身の恋心を、安易な対抗心と稚拙な独占欲と同列に扱われたような気がして……、ってのもあるかも? -- (名無しさん) 2011-10-06 00 13 51 ↑いや、それは1,2ともに恋心と認識してるだろうよ。 -- (名無しさん) 2011-10-12 15 00 44 というかどんだけ自分勝手なのよ黒猫ェ -- (名無しさん) 2011-10-14 20 51 13 あやせの持ってたプリクラは、エロ本チェックした母親から -- (none) 2011-10-19 22 36 07 母親から、母親が京介が付き合ってると思ってる麻奈美経由で、あやせに渡ったのかと思ってた。 -- (none) 2011-10-19 22 38 37 あやせがプリクラ持ってるのは桐乃があやせに自慢したときにあやせがコッソリ拝借したものだと思うよ。京介がいないところでは桐乃は京介のことばっかり話すからね(6巻p77参照) -- (名無しさん) 2012-09-26 12 03 19 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/528.html
http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1308729425/520-540 「きり、の……」 いつか聞いた幻聴が、彼自身の口で繰り返された。 「いかないで」 ただ、それだけだった。 桐乃が口にしたのは――たった一言、それだけだった。 でも、それだけで、“私”はもう、なにも言えなくなってしまった。 桐乃は中学のジャージを着ていた。 髪留めはなく、垂れた前髪が表情を隠していた。 項垂れて、力なく伸ばした手で、京介のパーカーの裾を握っていた。 その手が心細げに小さく震えた。 再び花火が打ち上がった。 前髪越しに、きらりと光るものが覗いた。はっきりと、見えてしまった。 あたり一面が明滅し、ドン、ドンドンドンドン、と、重い大気が激しく鼓膜を打ち叩く。 連発花火の容赦ない喧噪のなかで、桐乃の唇だけが、かすかに動いていた。 まもなくしんとなって、夕闇がたちこめる。 京介の腕がするりと抜けていった。あっけなかった。 “私”の手は、もう言うことを聞いてくれなかった。 シャツをつかむ桐乃の手に、京介の手が重なった。桐乃の肩がびくんと跳ねた。 京介は桐乃の強ばった指を、壊れ物を扱うように繊細な手つきで一本一本裾から外してゆき、 それから、あらためて桐乃に向き直った。 「桐乃」 と、京介は言った。そして、肩をすぼめた桐乃の頭に、ぽんと軽く手を乗せる。 「ばかだな、おまえ。こんなカッコして、こんなとこにくるなんて……ほんと、ばかだよ」 京介が桐乃を撫でている。桐乃は涙ぐんだ目を猫のように細めている。 ――やめて。そいつはあんたの妹なんかじゃない。 あたしの叫びは声にはならず、私は呼吸を荒げるだけだった。 「でもな……俺は、もっとばかだ。大ばかだ」 そのさきは、聞きたくない。けれど私の全身は微動だにしない。 京介の選択を最後まで見とどけるよう、あたしに強いる。 「あのときの俺を、ぶん殴ってやりたい……」 いいかげんに吹かれた笛のような音が、天空高く伸びていく。京介が振り向いた。 「……ごめん。黒猫」 ドン、と、心臓を横殴りに響きわたった。 「……俺、わかっちまったんだ」 光の雨に打たれる兄貴の顔は格好良かった。 「おまえと過ごした今年の夏は、楽しかった。きっと一生忘れないと思う。……だけどさ」 例のふやけた音が、幾筋も幾筋も金魚のふんみたいに纏わり付いて立ちのぼる。 うらぶれた火球のぱらぱらという嘆息に、厚かましく被さった。 「…………じゃ、駄目だと思っ…………こいつに自分勝手な気持を……いて、 自分はちゃっかり…………後ろめたくて、ずっと躊躇してい……」 ドンドンドンドン……ああもう、やかましい。京介の声が聞けないじゃないの。 近所迷惑くらい考えろっての。だいたいこんなんのどこがいいワケ? くっさい火の玉で空をギランギランに飾り立ててせっかくの星空が台なしなんですケド。 ぐっちゃぐっちゃの光り物見てわーきれーっておめーらカラスかっつーの。 「……本当の気……を、ようやく……」 美しく咲き乱れるだとか儚くて感動するだとかなんとか、 じゃあ夜空に残った染みみたいな煙の塊はなに? そいつのうんち? あーもーほんっとウザっ下痢ピー打ち上げてどや顔でスターマインでございっとか ニコ動の~してみたと同じくらいウザいしベスビオス級とか厨二センス極まりない。 「……俺はこいつの兄貴なんだ。どうしようもないシスコンなんだ」 やっとウザいのが止んだ。せいせいした。これでようやく京介の声を―― 「――だから、別れよう」 聞いてあたしは発狂した。 わたあめの袋は投げ出され、メルルの顔が土にまみれている。 ヨーヨーは下駄の歯で破裂し、地面がぬらぬらと光沢を帯びている。 浴衣の帯が緩んで肩はむき出しになっている。 三尺玉の空いっぱいに咲き散る金光を背にし、胸のはだけるのもかまわず、 あたしは京介にむしゃぶりついていた。 「――どうしてねえどうしてウソよウソだって言ってよ京介 お願い別れるなんてウソだよねあたしたちずっといっしょにいようっていったじゃない 約束したじゃない愛しあったじゃない桐乃は妹なんだよ結ばれちゃだめなんだよ 親不孝なんだよ私じゃないと結婚できないんだよどうしてそんなことを言うの 私たち愛しあってるのにどうして別れなきゃいけないの妹なんて大嫌いなんでしょ あなたそう言ってたでしょう嫌いだ嫌いだってあんた言ってたでしょあのとき あんな顔してたでしょうだから私は、あたしはっ……!」 「くろ……ねこ? おまえ、いったい……」 京介はどうしてこんな顔をするんだろう。けど、その理由はすぐにわかった。 「ああ、そっか。そうかそうかそうかそうかぁ――あたしの愛し方が足りなかったんだ」 すぐさま足払いをかけて押し倒す。 京介は尻餅をついて苦しそうに呻いたけど、そんなのもう関係ない。 あたしがどれほどあんたを愛しているのか、思い知らせてあげないといけないのだ。 「お、おい! ちょ、待てよ!」 ベルトのバックルに片手を伸ばしつつ、もう片手でその下をさする。 「や、やめろ黒猫……俺にはもう……それに、こんなところで……」 一昨日なんか「エターナルフォースブリザーメン! 相手は孕むッ!」ってシテたくせに、 今さらなぜ抵抗するのだろう。理解に苦しむ。 「私は――黒猫は、京介のためならなんだってする。してみせるわ。 京介がもはや私と付き合えないというのなら、超すごい私の愛を見せつけてやるだけのことよ」 そうまくし立てながらファスナーの引き手を摘んだとき、 「――黒猫はそんなこと言わない」 横合いから、そんな声が割り込んだ。 「黒猫はそんなこと言わない。大事なことだから、二度言ったわ」 見上げると、桐乃の目とかち合った。人形めいた瞳が私を見下ろしていた。 あたしを射貫くように、そして哀れむように、たった一言、吐き捨てた。 「無様ね」 あたしは京介を見た。怯えていた。 それであたしは、自分が振舞いが常軌を逸していたのに、やっと気がついた。 あたしは発作的に飛び退いた。 「やめてよ……そんな目で見ないで。哀れまないでよ!」 髪を振り乱して絶叫する。 「好きになって欲しかったの! 女として愛して欲しかった! あたしを、あたしだけを見て欲しかった! なのにどうしてみんな邪魔をするの! 地味子も沙織もあやせもあんたも、 京介も! どうしていつもいつも……」 「そうやって、いつも誰かのせいにして誤魔化すのね」 その言葉にあたしは戦慄し、心臓をわしづかみされたように、固まってしまった。 息ができず、目をそらすことすらできない。桐乃の瞳のなかに、 黒猫の無様な泣き顔が映っていた。 「まあ、別にそのままでもかまわないわ。決着は、もうついたのだから」 “桐乃”が薄笑いを浮かべ、あたしに顔を近寄せて言った。 「“あたし”は京介に彼女ができるなんて絶対イヤ。だから京介も、彼女をつくらない」 桐乃は怪訝顔の京介をちらりと見やって向き直ると、私だけに聞こえるような声量で続けた。 「あんたは京介にふられちゃったけど、もう恋人でもなんでもないけど……安心しなよ。 これからもさ、アキバ行ったり同人誌つくったりして、いっしょに遊ぼう? ……だってあたしたち、友達でしょ? 遠慮しなくていいよ。 こんなことになっちゃったけど、“あたしたち兄妹”は、“あんた”の友達やめたりしないから」 ――そうだ。私はもう京介の恋人じゃない。妹でもない。ただの、友達に過ぎない。 あたしたちは、桐乃と黒猫はある日突然――本当に突然、体が入れ替わった。 まさしく出来の悪い小説みたいにいいかげんな展開だった。 そしてその原因は今なおまったく見当がつかない。 原因がわからない以上、元に戻る術も、保証もない。 京介の恋人になれたことで舞い上がっていたあたしは、そんな単純な事実を失念していた。 「これからも、あたしたちずっと友達でいようね」 瞳のなかの黒猫がにやりと笑った気がした。あたしは気絶した。 見慣れた天井だった。 エアコンの効いた部屋で目ざめると、からだじゅう冷え切っているように感じられた。 「ジャスト二週間ね。いい夢は見れたかしら?」 と、“黒猫”の声が聞こえた。 ベッドの脇を見れば、ジャージ姿の黒猫があたしの椅子にちょこなんと腰掛けて、 漫画に目を落としている。 「これが……いい夢でたまるか、よ」 「沙織のような返しをするのね」 それにしても、長い夢をみていたような気がする。 いやーほんと、それはそれは長い夢だったなぁ。きりりん思わず寝ぼけちゃったよ。 夢の内容? あははは、覚えているわけがない! 「起き抜け早々現実逃避とは……いいご身分だこと」 「ぐぬっ……」 「それよりもまず、あなたは、私に言うべきことがあるのではないかしら」 うん。わかってる。 あたしは黒猫に、ひどいことをした。黒猫の体で、すごいこともした。 「黒猫、あたし――」 「なんて、ね」 素直に謝ろうとしたとたんにさえぎられた。 「今さらだもの。謝罪も賠償も無粋だわ。 それに、私だってなにもしていないといえば嘘になるから」 聞き捨てならないことを言いおる。 「ま、まさかあんた、あのときの嫌み、本気だったんじゃ……」 人を見下すのが超好きなクソ猫のことだ。 あたしに成り代わって第二のリア充人生を送ろうと企みかねない。 「さて、どうかしらね。けれど、大変だったのよ、あの後。 あなたが突然倒れたものだから――あの場にたまたま医者が居合わせたから 大騒ぎにはならなかったものの、タクシーを呼んだりして、 気を失ったあなたを京介と二人でここまで運ぶのに、ずいぶん手こずったわ」 「ふーん……あれ? なにかおかしくない? 気絶したのは“あたし”でしょ?」 “あたし”と言ったところで黒猫を指さした。 「直前で戻ったのよ。ファビョったあなたに、“私”が勝利宣言をした、あのときだわ―― 本当に突然だったの。負け犬がどんなリアクションをするか観察していたら、 いきなり目のまえが真っ暗になったわ。それもほんの一瞬のあいだよ? 気づくと私は大股おっぴろげたはしたない格好で地面に尻餅をついていて、 目のまえには白目を向いたあなたがいる。立ったままびっくんびっくんと痙攣し、 蟹のように泡を吹いている……まるでゾンビ映画みたいだった。 あまりのキモさに私は慟哭してしまったわ」 あたしは、もうお嫁に行けないかもしれない。 それなのにこの黒いのは、やけに嬉嬉ととしてあのときのことを物語る。 「京介もどん引きよ」 ほんといらんことを言う。 「けれどまあ、これにて一件落着ということね。過程はどうあれ、私たちはもとの体に戻れた」 「一件、落着……」 たしかにそうだけど、やっぱりどうも納得できない。 結局、なにもかもうやむやのままなんだから。 「不服そうな顔ね? でも、現実なんて、結局そんなものよ。 劇的な解決もカタルシスもありはしない。 なるべくしてなるというのはむしろまれなことで、 物事の解決というのはたいてい、時か、事件によってなされるもの。 あなたの好きなエロゲーなんかと違ってね。 お兄ちゃんが性的な意味で大好きな妹は、思春期を過ぎれば他の誰かになびくものだし、 夢破れた芸術家も、リストラされたとなれば日々の糧を得るのに精一杯で、 傷心も夢の名残も、慌ただしい日常のなかで埋没して行く。 そう。これっぽっちも美しくはないわ。だから現実はクソなのよ」 黒猫は中二病患者らしく、一人で盛り上がっている。 永遠の十四歳、といってあげればある意味聞こえはいいかもしれないけど、 こんなんだからこいつってぼっちなのよね。 「今回の件は、唐突に始まって、唐突に終わった――ただ、それだけのことだわ」 こいつは一人で勝手に締めくくろうとしてるみたいだ。でも、そうはさせない。 あたしにはまだまだ聞いておかなくちゃいけないことが山ほどあるのだ。 「で、黒猫。――京介は?」 本題を持ち出すと、黒猫は一瞬だけ露骨に嫌な顔をしてから、 「っふ……」といつものような邪気眼電波顔を浮かべた。 「彼は今、一階でご両親に絞られているわ。 “かわいいかわいい兄さんの妹”をほったらかしにしたのみならず、 結果的に、こんな目にあわせてしまったのだから、当然の成り行きね」 その妹とやらがいったい誰を指しているのか考えると無性にこいつの首を絞めたくなるが、 しかしきりりんさんの自制心には定評がある。 高坂桐乃はあやせより加奈子より我慢強い女の子なのだ。あたしは話の続きを待った。 「……ともあれ、安心なさい。兄さんは、あなたが私であったことを知らないわ」 「そっか……」 なんともいえない心地だった。 醜態をさらしたのがあたしだと思われていないことにほっとする反面、 結局あいつには、あたしの気持ちは伝わっていないのだ。 「ク……ふふふふ……! ……私は淫乱ヤンデレキャラとして定着してしまったのだけれどね」 「それはほんとごめん」 本当にすまないと思っている。 「……ま、まあかまわないわ。これから私は、宿望を果たすことができるもの」 「しゅくぼう?」 なにをするつもりだろう。黒猫が立ちあがり、あたしは思わず身構えた。 ベッドのあたしを見下ろして、黒猫はあのときのようににやりと笑った。 「ねぇ、いまどんな気持ち?」 「はぁ?」 「ねぇねぇ、大好きなお兄さんを二度も寝取られて、いまどんな気持ち?」 「へ?」 ほんの数秒、意味が飲み込めなかった。 「京介は私と付き合うと言ってくれたわ。 そして、“私”のために黒猫と別れると、そうも言ってくれたわ」 ああ、こいつは―― ――言ってはいけないことを、言ってしまったのか。 「……ぎぐががががががが……」 「今、どんな気持ち? ねぇ、どんな気持ち? 参考までに聞かせてもらえないかしら? 二度も振られて、二度も寝取られてしまった淫乱ビッチさん」 「……っ殺す! このクソ猫絶対殺すっ……!」 殺意が頂点に達したところで、やにわにこんな言葉が頭に浮かんだ。 ――だがちょっと待って欲しい。 結果だけみれば、きりりん大勝利ということではないだろうか? 手頃な得物を求めて枕元をさまよっていた手が止まる。 「そういえばさ、今のあたしは桐乃で、今のあんたは黒猫なんだよね?」 「……それがどうかしたのかしら」 「あんた振られっぱなしじゃない? 結局あたしの優位かわってなくない?」 黒猫の表情が消えた。図星のようだ。 あたしがお返しとばかりににやにやしてやると、黒猫が抑揚なくつぶやいた。 「あなたって、本当に最低の屑だわ」 「……ごめん。マジで」 あたしって最低だ……でもさ、これって正直ヤバくない? だって京介って、妹のために恋人と別れてくれたんだよね? どんだけシスコンだっつーの。 それじゃあ妹離れなんて永遠にできなくない? あーキモキモ。ちょーキモーい… …ていうかヤバ。まじヤバ。ヨスガ一直線間違いなし。 しかも今やあたし、体は乙女頭脳はオトナな超ハイスペックシスターでしょ? 京介なんか百パー溺れちゃう。受験生なのに、あたしにハマって勉強しなくなっちゃう。 ――なんて馬鹿なことを考えていると、 「そろそろ私はお暇させてもらうわ。 あなたも目ざめたことだし、あまり長居すると、京介が戻って来てしまうから」 「あっ――」 ――そっか。そうよね。 “黒猫”は、京介にあんな醜態を見せてしまったんだから、顔を合わせづらいにちがいない。 気絶したあたしを連れてくるときはいっぱいいっぱいでそんな余裕はなかったけど、 あたしの容態が落ち着いた今、別れた恋人同士は、どんな顔をして話せばいいのだろう。 「心配は無用よ。ここへ来る道すがら京介に説明したわ。 あのことは――闇の力(ダーク・フォース)の反作用体として生じた新たな人格、 “闇猫”がしたことなのだと。京介もちゃんと納得してくれた。 そして、ひどく青ざめた顔で私を気遣ってくれたわ」 邪気眼キャラって超便利。便利すぎてガチでびびられてる。 「ま、まあさ。あいつにはあたしからもフォロー入れておくね。うん」 「ええ、頼むわ……」 と黒猫はわりと切実そうに告げてドアに向かい、そしてドアノブをつかんだところで、 「そうそう、ひとつ、報告し忘れていたことがあったわ」 と、目だけをあたしに振り向けて言った。 「あなたもう処女じゃないから」 「はあっ!?」 こ、このエロ猫、今なんて言った? 「先ほど言ったはずよ。『私だってなにもしていないといえば嘘になるから』と」 クソ猫のとんでもない報告に、あたしは口をあんぐり開けて固まってしまう。 「安心なさい。兄さんは、すごく悦んでくれたわ。 それに私も貴重な体験ができたから――まさか一生で二度も破瓜の痛みを味わうなんて、 なかなか興味深い感覚だったわね」 ぱたん、とドアが閉まった。 「あははっ……」 思わず足の間に手を入れて、あたしは乾いた笑いを上げる。 「冗談だよね……今の、冗談なんだよね……」 そこに京介がやってきた。 「やったぜ……桐乃」 と、青あざのついた顔で京介は言った。見れば全身ぼろぼろで、 お父さんに脱臼させられたのか、肩を押さえて、よろよろと倒れ込むように歩み寄る。 「俺とおまえの仲を、親父たちに認めさせてやった。 お袋はまだ下で泣いてっけど、俺たち兄妹はこれで……って、桐乃?」 京介は呆然としてあたしの顔をのぞき込む。 あたしたちは二人とも呆然とした間抜け顔で向かい合った。 「お、おまえ、本当に桐乃か?」 あたしはこくんとうなずいた。 「本当かー? 本当に桐乃かー?」 もいちどこくんとうなずいた。 けど京介はやおら天井を仰いで、 「嘘だ! 俺の妹がこんなに可愛くないわけがない! 兄さん好き好きけなげオーラが欠片もねーじゃねえか! ハっ……さては悪魔(あやせ)が化けてんだな!? またかよオイ! あやせテメェっ、俺はおまえの彼氏にゃならねぇってなんど言えばわかるんだ!? 体は許しても心は許さないからな! この逆レイパー!」 「し……ししっし、しっししししし……」 「黄金水か!? 黄金水なんだな!? だが断る! もはや俺がそれを飲み干すのはただ一人! すなわち! ラブリーマイシスターきり――」 「――死ねえええええええええ!」 おしまい マインドスワップ 01 マインドスワップ 02
https://w.atwiki.jp/orenoimoutoga/pages/75.html
作品名が分かるようにして自由にお書きください 作品および作者への誹謗中傷を行わないようにお願いします 名前 コメント すべてのコメントを見る しすしす吹替版、相棒の世界だとあの後桐乃が何者かに殺されて 捜査の過程で京介は驚愕の事実を突きつけられる事になって ゲームの声を妹が吹き替え、内容を細工していたと知ったら、ショックで自殺しそう。 -- (名無しさん) 2013-04-29 11 44 04 作品および作者への誹謗中傷を行わないようにお願いします -- (名無しさん) 2012-06-12 10 04 49 036 こないだおぼれた黒猫を助けたのよ 削除希望。 読んでて気持ち悪いというか、書いた人間の人間性が心配されるレベル。 -- (名無しさん) 2011-10-06 01 01 44 030 京介「俺ゲー研やめるわ」 2個下のコメントに釣られて読んでみましたが、淡々とした会話が主だったもので、話しに躍動感がないというか、キャラが生き生きとしていなくて死んでいるというか、文中に8巻参照みたいな注釈がある割に何故か黒猫は転校していないとか、色々と支離滅裂な内容で、何が楽しいのか理解できませんでした。 -- (名無しさん) 2011-10-06 00 27 23 038 俺の天使はあくまでこんなに可愛い 面白かったけど、京介に無断での写真掲載は、肖像権中の人格権――被写体自身の許可なく撮影、描写、公開されない権利――に抵触すると思われ。 あと、桐乃や黒猫、加奈子の言動から、京介に対する関係性が不明瞭なんだけど、どういう経緯で桐乃や黒猫は妙に冷静かつ部外者的な言動なんだろう? 加奈子も妙に親しげな言動だし。 -- (名無しさん) 2011-10-06 00 18 46 あやせの相談事・恥辱編 ちょっと読めないあやせの行動は面白かった。 -- (名無しさん) 2011-08-27 16 36 35 030 京介「俺ゲー研やめるわ」 最高っす -- (名無しさん) 2011-05-15 18 13 26 002最高w 8巻もぜひこの方向でキボンヌ -- (名無しさん) 2011-02-12 23 09 45 収蔵okよ -- (名無しさん) 2011-01-27 12 00 24 もちろんよ 楽しみにしてまし -- (名無しさん) 2011-01-27 00 38 18
https://w.atwiki.jp/vip_oreimo/pages/208.html
263 名前: ◆Neko./AmS6[sage saga] 投稿日:2011/01/25(火) 02 56 21.56 ID NnllwPeO0 [2/3] エピローグ―― 俺はその日、黒猫からメールで呼び出され、いつもの公園に来てゴスロリに戻ってしまった黒猫と向き合っていた。 クリスマス・イヴ、俺は結局あやせの策略に嵌められタイムリミットまでに黒猫に連絡できなかった。 あやせから開放されたあと、すぐに黒猫に電話したんだが……幾ら謝っても取り付く島がなかった。 そのあとは着信拒否され、今日に至った。 「私は黒猫、闇の眷属に生きる……。先輩、あなたはこの私を裏切ったのよ!」 「黒猫、本当に申し訳なかった。頼むから俺の話を聞いてくれ」 電話は着拒されてるし、黒猫の家に直接行って謝ろうとしたが黒猫のヤツ…… 一番下の妹を使いやがって……『姉さまは、兄さまにはお会いしません』なんて言わせやがった。 「私は黒猫、闇の眷属に生きる……。先輩、私はあのイヴの日……ずっと先輩からの連絡を待っていたのよ」 「俺はお前に連絡しようとしたんだ。本当だ、信じてくれ」 俺があの時、黒猫に連絡しようとしたのは事実だった、しかし、連絡できなかったのも事実。 「私は黒猫、闇の眷属に生きる……。先輩、あんな小娘にいい様にたぶらかされて、恥を知るべきだわ」 すべての始まりは俺の鈍感で優柔不断な性格にある。 しかし、黒猫が怒っている最大の原因は、俺が安易にあやせに相談し、その策略にまんまと嵌まっちまったことだ。 あやせが権謀術数に長けていることは、加奈子の件で俺はよく知っていたはずなのに……。 「私は黒猫、闇の眷属に生きる……。大体なんなの、あのあやせって娘は……ちょっと美人だからって、 この私に……こんな破廉恥な物を送り付けてきたのよ」 あやせが黒猫に送りつけたのは、一通のメール……それも画像添付のヤツだった。 その画像は俺があやせに無理やりキスされている場面だ。 しかし、画像を見ただけじゃ誰だって恋人同士のキスシーンと思っちまうよな……。 「黒猫、それは違うんだ。 写真だけ見れば俺があやせにキスしてるように見えるけど…… 俺は気を失った挙句にそんとき手錠をされてたんだよ……たのむ、信じてくれ黒猫。 抵抗しようにも抵抗できなかったんだ」 あやせが俺にタイムオーバーを宣告したあと、すかさず俺のみぞおちに肘鉄を食らわせるもんだから、 油断していた俺はうっかり意識をなくしちまった。 気が付いたときには手錠を嵌められベンチに座らせられていた。 俺が意識を失っている間に例の写真を撮られたわけだ。 「私は黒猫、闇の眷属に生きる……。先輩、あのあやせって娘とともに、この報いは必ず受けれもらうわ。 いまから覚悟をしておくことね」 264 名前: ◆Neko./AmS6[sage saga] 投稿日:2011/01/25(火) 02 56 57.57 ID NnllwPeO0 [3/3] 黒猫は俺の言い訳なんか聞いちゃくれなかった。 でも事実なんだからしかたがねぇ。 あとであやせに聞いたらお台場のホテルなんかでパーティーなんかやっちゃいなかった。 事務所のある新宿区のホテルだって言うじゃねーか。 お台場は港区だっつーの。 「あんた、さっきっから黒いのと何やってんの?」 その声に俺は驚いて後ろを振り返ると、桐乃があっけに取られたように突っ立ていた。 「私は黒猫、闇の眷属に……出たわね、スイーツ女」 「……それにさー、クソ猫! なんであんたは木になんか登ってんのよ! パンツ丸見えだっつーの」 「私は黒猫、闇の……こ、これは見せパンだからいいのよ。さっき先輩にも説明したし……」 俺は事情が分からないといった表情の桐乃に、これまでの経緯をザックリと説明してやった。 「ふーん、で、これがそのネックレス? へー、けっこう洒落てんじゃん。 クソ猫なんかにはもったいないから……あたしがもらっといたげる」 「私は黒猫、ちよっと! そのネックレスは先輩が私に買ってくれたものよ! 汚い手で触らないで頂戴」 桐乃は木の上で怒鳴っている黒猫を無視して、ネックレスについている商品タグを熱心に読んでいた。 「あーなるほど、確かに『叶』って文字になってるジャン」 「私は……先輩、下りるから手を貸して頂戴……」 運動オンチのくせに木になんか登るから……。 きっと怒りに任せて登ったんだろうが、木登りってやつは登るより下りることの方が難しい。 黒猫は枝の上でしゃがみ込んだまま動けなくなっちまった。 なんとか俺の肩に片足を掛けさせ、次にもう片方の足を……。 その瞬間黒猫はバランスを崩し、俺は何とか彼女を抱きとめるようにしたが、 結局、俺達二人ともすっ転んじまった。――俺がちゃんと下敷きになったけどな。 黒猫の手を取って起こしてやり、服に付いた泥を払ってやった……。 「お、おい、大丈夫か!? 怪我しなかったか? お前はほんと無茶すっから……」 「私は……先輩、あなたのことが好きです」 その言葉に俺は、黒猫を思い切り抱きしめることで応えた。 気が付くと、桐乃はいつの間にか俺達の傍からいなくなっていた。 黒猫が登っていた木の根元に、ペンダントがギフトボックスに入ったままそっと置いてあった。 もしかすると……あいつは俺と黒猫が仲違いしているのを知って……。 まさかな、俺はきょうほど自分の目と耳が信じられねぇ日はなかったよ。 だから、俺がこう思ったのも当然だろ。 俺の妹が、こんなに可愛いわけがない――ってな。 (完)